ペダルのネジ
自転車を一台組もうと思い、アンティーク部品を集め始める・・・。その時に苦労させられるのが、バラバラに存在するネジの規格です。なかでも今回、ペダルのネジには混乱しました。
自転車部品の規格には大きく分けてイギリス系、フランス系、イタリア系があります。
ペダルをクランクに取り付ける、そのネジの規格でいうと、イギリス(BSC=JIS)は9/16×20(ネジの外径が9/16インチ、ネジ山が1インチにつき20)。一方、メートル法に準拠するフランスは14mm×1.25mm。なおペダルに関してはイタリアはイギリスと同じです。イギリスの規格をメートル換算すると、14.2875mm×1.27mmとなりフランス規格との差0.02mm。何とか無理してネジ込めそうな感じですね。でも、フランス規格のネジ穴にイギリス規格のネジは無理してもネジ込めません。ネジの谷の径が異なるからです。
さて、今、手持ちのクランクが3種類。右端がフランスのTA社製、シクロツーリスト。左側の2種類が同じくフランスのSTRONGLIGHT社製、49Dと呼ばれているもの。TAのペダル取付部のネジはイギリス規格。STRONGLIGHTのはひとつがイギリス規格、ひとつがフランス規格。
一方、ペダルもいろいろ。向こうの2種類が自転車小僧憧れのイタリア、Campagnolo(カンパニョロ)社のもの。手前の2種類はフランス、Lyotard(リオター)社のもの。Campagnoloのふたつはいずれもイギリス規格のネジ。Lyotardのはひとつはイギリス規格、ひとつはフランス規格(ふぅ、ややこしい・・・、笑)
で、今回、お気に入りのSTRONGLIGHTのクランク(イギリス規格)にCampagnoloのペダルを装着しようとしたところ、同じイギリス規格なのに入らないっ!(Campagnoloの希少な「ストラップ環付きレコード」、やっと入手できたのにぃ・・・)。どうやら、同じイギリス規格の表示があっても、フランス製のクランクはその他の国の同一規格は適合せず、フランス製のペダルしか受け入れないようだ、ということが分かりました(笑)
自転車大国フランスで、数々の素晴らしいデザインの部品を作ってきたメーカーが80年代以降衰退し、次々と消えていった原因のひとつは実はこんなところにもあったのかもしれませんね。
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