Huret #500 1961年
前回、1930年代の自転車のとても素晴らしいリストア(restore:復元する)の例をご紹介しました。リストアの実現の陰には並々ならぬ労力(そしておカネも)が伴います。でも、錆々だった鉄パーツがきれいに再メッキされてきたときの感動もまたリストアの楽しみのひとつかもしれません。
ご紹介するのは、フランスはHuret(ユーレー)社のディレーラー(変速機)、#500です。
「イラストによるスポーツ車と部品の変遷」(1977年、ベロ出版社)によるとこの変速機は1961年に世の中にお目見えした、とあります。
で、私の持っていたHuret #500は、ご覧のとおりブツブツと錆が浮きまくっていました。
気にせずこのまま使っちゃっても、もちろん使えないことはありません。
しかし・・・。
せっかく新車を組むならひとつひとつのパーツに徹底して拘りたいものです。
で、このようなパーツのリストアを快く引き受けてくれるお店に再メッキをお願いすることに(以下はお店で実施いただいた工程のご紹介です)。
まずは化学的に表面のメッキを剥がします。
ひぇ~、気持ち悪い錆ですね(笑)
表面のメッキがポツポツ浮いてきた時には内部ではかなり錆が進行してるってことなんですね。
いえいえ、これは錆を落として、エッジを立てて、磨き上げた状態で、メッキはまだこれからなんです。
このあと、メッキ屋さんにバトンタッチされるわけですが、メッキに出す前のこの下地作りがいかに大切か、ってことですね。
何ですかコレは!息を呑むばかりの美しさです。
こんな美しいディレーラー、チェーンで傷つけるのがもったいなくて使えないじゃないですか・・・。
こんな風に、ひとつひとつのパーツに思いを込めて一台の自転車が完成していくのです。ご協力いただいた岐阜のティーエヌさん、その節はありがとうございました。
さて、ちょうど僕と同い歳のこのディレーラーは見事にリストア成りました。ところで、人間の男のリストアは・・・、果たして可能なのでしょうか(笑)
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