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2008年9月 5日 (金)

英国 Sturmey Archer 1960's

Ctc1962072 旧車をレストアする際の時代考証にあたっては、その当時の専門雑誌を見てみるのが一番の近道ですね。 先日入手した1962年製の「HETCHINS」のパーツ構成を考えるにあたり、当時の英国の雰囲気を少しでも嗅ぎ取ってみようと、同年前後の英国サイクリングクラブ会報「The CTC Gazette」を何冊か取り寄せてみました。

Ctc196207 先日ご紹介した50年代の会報(こちら)と違い、サイクリスト好みの風景写真を全面にあしらったセンスある表紙に変わっていました。

ところが、60年代ともなると英国自転車業界に翳りが見えてきたのか、手元の1951年6月号では54ページもあった内容がこの1962年7月号では30ページとほぼ半減しており、同時にパーツメーカーの広告もその出稿量、面白みともに大幅減。 まるでどこかの国のサイクリング専門雑誌みたいです(笑)

 

 

 

Ctc1962072_2 そんななかで目をひいたのが冒頭にも示した表4のこの広告、ハブギア(内装変速機)でおなじみの「Sturmey Archer」(スターメー・アーチャー)です。

ところが広告のコピーはこの転換期の業界事情を表した、何ともネガティブというか悪あがきのようにも読めます。

「10速ギアを必要としている人がいるかもしれません、でも大半の人たちのサイクリングには3速で十分なのです。そのうえ、そのギアが最も頑固な技術者が要求するくらい、スムースにそして完璧に動作するなら、それでギアに関する問題は解決です。サイクリングの楽しみに、科学的な完璧さを付け加えてみてはいかが」

「ほこりや泥、砂で干渉したりすり減ったりすることはありません」 「ギアとチェーンはいつだって一直線状になっています(チェーンラインは狂いません)」などなど・・・(笑)

Img_0002 その一方で、外装変速機はもはや当たり前、「Williams」のチェーンホイールだって、最高級のC1200がダブルリングとなってC1232として売り出されています。

 

 

 

 

 

 

 

Ctc1962073 これは同時に取り寄せた1958年8月号の会報に掲載されていた「Jack Taylor Cycles」の広告ですが、ご覧のように前後キャリアを装備しフランスパーツで固めたツーリング用モデルがすでに市場に出回っていたようです。(左写真を拡大して見てください。チェーンホイールは今となっては大変希少なStronglight社の"Touriste"です) ちなみに1950年頃からポリッシュのマッドガードを装備したフランスのツーリング車が英国に上陸していたことは先日書いたとおりです(こちら)。

 

さて、スターメー社のハブギアですが、変速機事情が大きな変化(進化)を遂げていくなかで頑なにその製造は続けられ、1999年に倒産し台湾のメーカーに吸収された今もなお、Sturmey Archerブランドのハブギアは各種の折り畳み自転車などで使われているということです(現在の最新機は8速)。 1962年当時、3速で十分だったかどうかはともかく、スターメー社が1902年の創業当時から開発・製造していた内装変速機の技術は驚くべき先進性を持つものだったと言えるのでしょう。

 

 

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