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2008年12月23日 (火)

英国 LUCAS "Calcia Cadet" 1930s

2008_12140040 19世紀末に発明された自転車用ダイナモ・ランプは1910年代には広く商用化されていたようです。 しかし1930年代の英国ではダイナモ・ランプと並行して、炭化カルシウムを燃料としたカーバイド・ランプも依然として使われていたといいます。 さて、いったいどんな光を放っていたのでしょう・・・。

Dscf5531 僕は戦前の英国車は所有していません。 でもこのカーバイド・ランプには魅せられるものがあり、比較的状態のよさそうなものを試しにひとつ入手してみました。

 

 

Bb1939page212 「LUCAS」社の"Calcia Cadet"は多くのカーバイド・ランプのラインナップのなかでは廉価版の位置づけだったことが1939年版「Brown Brothers」カタログからもわかります。

 

 

 

 

 

2008_12140028_3 で、まず用意しなければならないのが燃料となるカーバイド、すなわち炭化カルシウムです。

さっそく楽天市場のネット販売で届けてもらいました。 

※商品には「カーバイト」と書かれていますが、正しくは"Carbide"、つまり「カーバイド」です。 

 

2008_12140029 缶の中身はこんな感じです(どうです、硫黄臭が漂ってきそうでしょ? 笑)。

 

 

 

2008_12140031 とりあえず試しに一番小さな塊を、ランプ下部のタンクに放り込みます。

 

 

 

2008_12140032 で、中でカーバイドが転がらないように中蓋を置いてランプ本体にしっかり装着します。

ランプ上部のタンクにあるノズルを緩めて、あらかじめタンクに入れておいた水をポタポタ・・・とこのカーバイドに落とします。 

すると、炭化カルシウムと水が化学反応を起こし、アセチレンガスを発生させるというわけです。 ノズルを緩めて30秒くらいでしょうか、火口から少し硫黄臭が発生してきたかな、というタイミングで火口にライターの火を近づけると・・・

2008_12140035 見事に点灯です!

火口背面のアルミ製ミラーの効果もあるのでしょうが、すばらしい光量です。

 

 

2008_12140036 真っ暗闇の我が家の庭を照らしてみました。 約2mくらい先まではっきりと地面の状態を視認できます。

 

 

 

2008_12140038 もっと手前のモノならまぶしいくらいに照らします。

 

 

 

 

このカーバイド・ランプで照らしだす暗闇の道は、それがどんな道だってきっと1930年代の英国車街道・・・。 とてもロマンチックな気分で走れそうですね。 このランプが似合う戦前のロードスターがついつい欲しくなってきます。

でも注意がひとつ。 小さなタンク容量とはいえ、充満したアセチレンガスが切れるまで火口の火は燃え続けます。 今回の試用でも水タンクのノズルを完全に閉めてから十数分間にわたり火が灯っていましたから、水の供給をストップさせるタイミングは早目がいいようです。

 

 

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