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2009年10月11日 (日)

R.O.Harrison その④ 駆動部まわり

2009_0926_096 「181774」
これがこのフレームのシリアルナンバーです。 1桁目の「1」が1月を、2桁目の「8」が1948年を、続く「1774」が通算の個体番号となっています。
R.O.Harrisonがその52年の生涯を通じて「R.O.Harrison」名義で製作した4千数百台のフレームの1774番目ということですね。
単純に平均すると年産2百数十台。 しかしピークの1949年には712台が製作されたようです。

2009_0926_096_2 チェーンリングおよびクランクは"英国のカンパ"と呼ばれた「Chater-Lea」の鉄製です。 再メッキによりクランク部の刻印が薄くなってしまっているのが少々残念ですが、ひと目で分かる「CL」の大胆なデザインは古き良き英国の象徴だと思いますし、ずば抜けたアイデンティティでもあります。
チェーンは「Brampton」の12.7×3.30、いわゆる厚歯です。

 

2009_0926_035 このクランク、もちろんコッタード式なのですが、コッターピンに拘ってみました。
これがその「CYCLO」社製、両ネジタイプのコッターピンです。
通常のコッターピンだと、抜くときにハンマーで叩き出す必要があるのですが、これですとクサビ先端側のナットを緩めたあと、反対側のナットを締めていけば静かに抜くことが出来ます。 ピンのアタマを傷つけないように、あるいはハンマーの衝撃でフレームやBBまわりに負荷をかけまいとするアイデアなのでしょう。

2009_0926_107 BB小物は「Bayliss Wiley」でまとめています。 1950年当時のカタログにも「LytaloyやGnutti等、特にオーダーが無ければ、ヘッドとBBはBramptonまたはBayliss Wileyが付く」旨の記載があります。

 

 

2009_0926_055 変速機は、「Sturmey Archer」社の"ASC"です。 当時、一部の熱狂的マニアに好評を博したものの、外装変速機の流れには勝てず、1948年の発表後わずか数年で姿を消した「固定内装3速」(以前のご紹介した記事はこちら)。

バックペダリング等、激しいトルクがかかる"固定"のハブをウイングナットで装着するのはホイールの芯を狂わせたりネジを傷めたりする恐れがあるため、「CYCLO」社のチェーンテンショナーで手締めを補完するようにしています。
なお、メッキされたロード型エンドは「Chater-Lea」製です。

2009_0926_060 そのウイングナットですが、フロントとお揃いの「GB」ですが、このように「Stermey Archer」の内装変速ハブに対応したタイプはちょっと珍しいかもしれません。

 

 

 

2009_0926_026 さてこの"ASC"。 写真に見える刻印どおり、1950年5月製造のものです。 それまでの内装変速機"AW"などと異なり筐体にアルミ合金が採用されています。 しかし、手にズシッとくる重さはスチールの筐体とあまり変わらないような・・・(笑)

また、この"ASC"は「Classic Lightweight UK」でも指摘されているとおり、固定であるにもかかわらず、ギア自体に"遊び"が設けられているのです。 その"遊び"幅は、クランクが描く円周上の約5mm弱程度のものとはいえ、前へ踏み込む際も、バックを踏む際にもギアへの伝達がワンテンポ遅れるという点で、"固定"の醍醐味である人車一体感が完全には得られないという欠点を持ちます。 そんなこともこのギアが短命に終わった原因のひとつだったのかもしれませんね。

2009_0926_017 トリガーは"ASC"専用にモディファイされたタイプが存在するのですが、残念ながら入手出来ませんでした。 1950~53年に出回った"GC2"ですが、この真鍮板が付いたタイプはあまり見かけません。

親指でレバーを引いたり弾いたりする様はまさしく現代のママ用シティサイクルの内装変速と同じです(笑)

 

2009_0926_048 変速ワイヤーをとりまわすプーリー。 シートチューブのラグ直下に取り付けるのが定石なのでしょうが、このフレームにはまさにその場所に"REYNOLDS531"デカールが貼られていたため、このようにしました。

 

 

2009_0926_061 駆動部まわりの最後は、「Chater-Lea」のペダルです(以前の記事はこちら)。
ペダルという地味なパーツでありながら、とにかく他を圧倒するオーラを醸しており、逆にこのペダルでなかったら車両全体の風格が台無しだったかもしれません。

 

 

2009_0926_062 トークリップは悩みました。 ペダルの風格、重厚感に負けないものを探し続けましたが、この1930年代の無名のクリップに落ち着きました。 渋いニッケルメッキが野暮ったくもそれなりの風格を醸しているようで・・・。

ストラップは最近復刻された「BROOKS」製です。 皮革は薄手ですが、他にないクリップ部のデザインがお気に入りです。

さて、R.O.Harrisonのご紹介もあとわずかとなりました。
次回は、サドルやアクセサリー類をご紹介したいと思います。

ところでこんなにいい天気の三連休、ブログなんか書いてる場合じゃないですね! ボクも走りに出かけなきゃ!(笑)

 

 

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