R.O.Harrison その③ ホイールまわり
「Pardon me !」
これは1948年11月17日号の「Cycling」誌に掲載されたR.O.Harrisonの広告のキャッチコピーです。 以降、この「Pardon me !」シリーズの広告が次々と展開され、R.O.Harrisonの代名詞として定着したようです。
今回、この車両に採用したハブは「HARDEN」社自慢の特許、カードリッジ・ベアリング機構を採用した1945年リリースの"Bacon Slicers"です(以前の記事はこちら)。
その機構ゆえ、玉当たりの微調整は不可ですが、60年以上の時を経てなおガタも無くとてもスムースな回転が得られています。
ウィングナットは「GB」社製です。 トルクをかけ過ぎて細い角が曲がりはしまいかと、ちょっと取り扱いがビミョーです(笑)
リムも当時の定番、「Constrictor」社の"ASP"リムを採用しています(以前の記事はこちら)。
リベットのかしめで継がれた何とも不安なリムではありますが、この三日月形のフォルムの前では何でも許せてしまう、そんな優美かつ軽量なリムです。
写真に見えるバルブキャップはフランス「ALGI」社製。 真鍮素材にニッケルメッキされたものです。 このような小物の材質感が意外と全体の風格に影響したり・・・。
タイヤはMade in Japanのメーカー、「IRC」製です。
27×1 1/4サイズのリムに対して、装着するタイヤサイズに迷いましたが、マッドガードを付けるなら1/4でも良いのでしょうが、ガード無しでよりレーシーに見せるなら27×1 1/8のサイズを採用するのが順当なところかな、と思います。
でもニップルの先にスプリングで押さえつけられている小さなボールを押し込んでオイルを注入するなど、いったいどうやって?と思っていました。
真鍮製のキレイなボディに「TECALEMIT CYCLE GUN」と刻まれている、その先端のキャップを緩めると・・・
中に引っ込んでいたノズルが飛び出します。 なるほど、この先端をオイルニップルに押し当ててオイルを注入するのですね。
写真左は、フランス「TA」社のグリースガン。 お尻のキャップを外して胴体部にたっぷり装填されたグリースが押し込んだノズルの先端から糸コンニャクのようにニュルニュルと出てきます。
一方の「TECALEMIT」のオイルガンはやはりオイル専用なのでしょう。 付け根のネジを緩めてノズルを抜いてしまった小さな口から装填できるのはあくまでオイルで、グリスを詰めるとはちょっと考えられません。
とすると、ハブと同じようなオイルニップルが付いたヘッド部やBB部にもやはりオイルが注されるだけで、グリースが使われることは無かったのでしょうか?
このあたり、英国車の歴史についてまだまだ勉強が足らないようです・・・。 ご教示いただける方、いらっしゃいませんか?
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