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2010年2月27日 (土)

英国 BROOKS "B17 Champion Narrow" 1940s

2010_0227_025 英国の名門サドルメーカー「BROOKS」。 1866年創業という歴史は現代に息づく自転車パーツメーカーのなかで最古を誇るのではないでしょうか。

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現在、私の手元には使用中を含めて7つの「BROOKS」があります。

まずはタイトル写真でご紹介した"B17 Champion Narrow"。
サイド部のオーバル型スタンプが時代を感じさせます。

 

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裏は二重革になっており、泥はねによる皮革の痛みを防いでいます。

さてこの"B17 Champion Narrow"の年代ですが、1939年版「Brown Brothers」カタログに"Champion Narrow"の紹介はありません。 一方、1952年版の同カタログにはちゃんと記載があることから、1940年代製ではないかと推察しています。

 

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背面の銘板は手持ちのBROOKSのなかでは最も厚く、大きく、そしてレリーフの凹凸がはっきりした重厚感あふれるものです。

実はこの銘板を眺めながら気づいたのが、手持ちのBROOKSにはどれひとつとして同じ銘板が付いていない、ということでした。

 

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例えば、1936年製のSUNBEAM "Royal Light Roadster"に付いていたこの"B66 GENTS MODEL"。

大きさは上の"B17"と同様ですが、「BROOKS」の文字のバックにシボというか網目模様がかかっていません。

さて、どちらがより古いのでしょう?

 

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続いては、"B17 Champion Swallow"。

 

 

 

 

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このようにオーバル型が変形して、BROOKS製のサドルバッグに付いているプレートと同様の形状になっています。
「BROOKS」の文字レリーフも浅い処理です。

1950年代でしょうか・・・。

 

 

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同じく"B17 Champion Swallow"ですが、これは1962年製HETCHINSに装着しているものです。

サイドのスカート部をバッサリ切り落とした形状のおかげでクッション性もよく、かつ内股に違和感のないとても乗りやすいサドルで絶対オススメです(笑)

 

2008_11150018 で、こちらの銘板はというと、このようにグッと小さくなりましたが、真鍮のピカピカは上記の"Swallow"と同様で、また「BROOKS」の文字もかろうじて浮き上がっています。

 

 

 

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ようやく、同時代を生きたサドル、"PROFESSIONAL"の登場です。

この"PROFESSIONAL"にはクロワッサン部に1973年の製造であることを示す刻印があります。

 

 

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この時代になると、背面の銘板はアルミ製に変わっています。
アルミ地のシルバーで文字を抜いた黒の塗装が施されています。
これと同じ"PROFESSIONAL"をPEUGEOT PX-10に装着していますが、雨に打たれて表面がザラザラにささくれていようが、もはや新品に取り替える気など起きないくらいお尻に馴染んでくれています。

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最後は1979年製の"PROFESSIONAL SELECT"をご紹介します。

厚さ6mmにも達する革を贅沢に奢ったこの"SELECT"はコンコルドのようなシルエットも相俟って、大変なオーラを醸し出しています。
いったいどんな自転車がこのサドルに相応しいのでしょう?

 

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この"SELECT"の銘板は、上記の"PROFESSIONAL"と同じくアルミ板ですが、アルミ地を背景に「BROOKS」の文字が黒く塗装されていますね。

 

 

 

さて、自転車用サドルメーカーの一方の雄、フランスの「IDEAL」社においても、銘板の形状は時代とともに変遷(手間のかかった銘板から、コストダウンによる簡略化へ)していますね。
われわれ旧車マニアがもつ古き良き時代への憧れというのは、実はこのような銘板ひとつに対しても、時間とコストと手間をかけていた当時の職人たちの矜持に対する憧れ、と言えるのかもしれません。

 

 

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